[2020年4月24日12時4分]
岐阜市で3月、路上生活者(ホームレス)の渡辺哲哉さん(当時81)が殺害され、いずれも19歳の少年5人が殺人や傷害致死容疑で逮捕された事件で、5人のうちの1人が、渡辺さんと一緒にいた女性(68)の2人に対し「今日は許さんぞ」と言い襲撃していたことが24日、女性への取材で分かった。
岐阜県警によると、渡辺さんは約800メートルにわたり追い掛けられた末に殺害されており、県警は、執拗(しつよう)に暴行されたとみて経緯を調べている。
また捜査関係者によると、殺人容疑で逮捕された県内在住の3人のうち2人は元朝日大(同県瑞穂市)硬式野球部員で、傷害致死容疑で逮捕された瑞穂市と同県山県市の2人は現役の同大硬式野球部員という。
渡辺さんは女性と約20年前から現場近くの橋の下で生活。2人は3月25日未明に橋の下にいた際、5人に襲われた。
女性によると、少年らは「くそ」「ばか」と言い、2人に石を投げた。女性は渡辺さんから「早く行け」と促されて先に逃げたが、女性が途中で振り返ると渡辺さんが倒れていたという。
その後、5人は逃走し、女性の110番で、警察官が駆け付けた。渡辺さんは救急車で運ばれる際、口から血を流しており、女性が「頑張るのよ。頑張るのよ」と声を掛けたが、搬送先の病院で約6時間後に死亡が確認された。
朝日大は24日、大学のウェブサイト上に「現在、調査委員会を設置して事実確認に全力をあげている。警察の捜査などに全面的に協力する」との大友克之学長名のコメントを掲載した。(共同)